スピード違反で手錠をかけられたときの対策

先日、自動車運転手がスピード違反で警察官に自動車の停止を命ぜられましたが、停止して自動車から下りてきた運転手と警察官との間でいざござが始まりました。そ のうちに警察官が運転手に手錠をかけてしまいましたが、このような場合でも手錠をかけるのでしょうか。法律的にみた場合、これは適法なのでしょうか。その当時の詳しい事情はわかりませんが、一般的な場合どはどうなのでしょうか。

 警察官が職務を行なうについては「警察官職務執行法」がありますが、そのほかにも刑事訴訟法や警察の規則によっても種々の取りきめがなされております。
 これによると、警察官は一定の場合には質問する権限があります。これは他の項でものべたとおりですが、要するに異常な挙動等からなんらかの犯罪を犯した場合等々に、その者を停止させて質問できますが、さらに、その質問が本人に対し不利であったと交通の妨害になると認められた場合には、その者に付近の警察署、交番等に同行を求められます。ただし、これは刑事訴訟法等の規定によらないかぎり身柄を拘束されたり、その意思に反して警察署等に連行されあるいは答弁を強要されることはありません。

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以上のようなわけですから、普通一般的には警察官の強制力というものも、それほど強くはなく、あくまでも任意的に行なわれているようです。
 ところが本問の場合には、違反した運転手と警察官との間にいざこざが起きたわけですが、そのいざこざも程度問題によりますが、かなり強度のものになってきますと公務執行妨害という問題にも発展します。その段階になりますと、警察官も当然公務執行妨害罪で逮捕することもできます。逮捕をする場合には普通は逮捕状が必要ですが、特別な場合にはいりません。とくに、現行犯人すなわち現に罪を行なった者または現に罪を行ない終わった者の場合においても逮捕状は不要なのです。
 なお手錠については、犯罪捜査規範の中に「逮捕した被疑者が逃亡し、自殺し、又は暴行する等のおそれがある場合において必要があるときは、確実に手錠又は捕錠を施さなければならない。但し、その場合には、苛酷にかたらないように注意すると共に、つとめて衆目に触れないようにしなければならない」となっておりますから、この点から手錠については判断できると思います。ですから、具体的な場合によって異なりますので、警察官の良識、現場の状況、被疑者の態度によって、当・不当が決定されます。

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