刑事事件で弁護人を依頼するとき
私の主人は飲酒運転で逮捕されてしまいました。近く起訴されて裁判になるそうですが、弁護士さんに知り合いがなくて弱っています。費用はいくらかけても主人を助けたいのですが、弁護人選任の方法、費用、手続き等はどうすればよいのでしょうか。
飲酒運転の事故ですと、起訴されて公判に回されることはほぼまちがいありませんので、弁護人はどうしても必要なことになります。私選弁護人がないときは、裁判所は国選弁護人を付けなければならない事件だからです。
弁護人を、いつどの段階で選任するかは大切なことです。捜査段階で選任できるのは私選弁護人に限られます。
とくに加害運転者が身柄を拘束されている場合は、精神的にも肉休的にもまいっており、取調官の厳しい追求から一刻も早く解放されたい心理が働き、不本意ながらも取調官に迎合する危険のある時期です。
このようなときに弁護人がつきますと、面会の結果、心理的圧迫も軽減し、法律的無知による不安も除かれ、黙否権のことや手続吉上の諸権利も知ります。被疑者のみならず、家庭ともどもに、無駄な神経をすりへらすことはないわけです。
証拠の収集、関係者との事情聴取、示談接渉やその他の指示なども弁護人から与えられます。
また事件によって検察官との接渉の結果、身柄の早期釈放や、不起訴処分決定が得られることもあります。処分決定の前に、被疑者に有利な証拠、示談書、領収証、嘆願書などを弁護人が、整理とりまとめて、早く検察官に提出することによって、処分決定に重要な影響を与えるからです。
このように起訴前の弁護活動に期待する多くのものがあるわけです。したがって、弁護人の選任はできるだけ早い時期の方が望ましいわけです。
弁護費用については大別して二つにわけられます。一つは事件依頼のときに支払う着手金で、他は事件終了の際に支払う成功報酬です。着手金は簡易裁判所、地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所の事件によって異なります。
成功報酬というのは、裁判の結果、無罪、執行猶予、求刑より軽い刑の判決等になったときに、その成功に応じて支払うものです。事件委任の際に、成功報酬についても取りきめておくべきですが、弁護士のなかには成功の際に改めて協議しましょうという人もおります。その額も、ほぼ首手金と同じぐらいと考えて良いでしょう。
もっとも、永年の苦しい闘いのすえ、無罪を獲得したようなときには、成功報酬額が高くなることは当然です。
なお弁護土に知人がなく選任に困っているときは、地元の弁護士会の窓口に申し出ますと、弁護士推薦という制度がありますので、気軽に相談なされることをおすすめします。
つぎに、国選弁護人ですか、国選は公判段階になって初めてつけられるものです。貧困その他の場合、国の費用によって選任されるもので、弁護士の義務として当番制度的に割り当てられております。被告人が有罪となりますと、国から支給された金額を本人から取り立てることになっています。
国選と私選といっても、選任の方法が異なるだけですから、弁護士としての資格や活動能力には何の差異もありませんし、国選弁護人も良心的に活躍していますから心配することはありません。
なお、弁護を依頼するときは弁護人を信頼して真実を述べ、かくさないことです。
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