任意保険のつけ方
保険も一つの商品ですから、その販売店、つまり保険を扱っている店がありまする具体的には、いわゆる損害保険会社と損害保険の代理店があります。
損害保険会社の店舗には、主要都市に保険会社の本支店、その出先機関として主要地区に出張所・営業所などがあり、通常、かなり広い地域を管轄しています。一方、損害保険代理店とは、保険会社と損害保険代理店委託契約を締結することにより、保険会社にかわって保険契約の募集を行なうもので、全国津々浦々にあるといってよいでしょう。
保険をつけるには、前記の保険会社・代理店いずれでも契約を結ぶことができますから、身近かな都合のよい便利なところを選んでよいことになります。
なお、代理店は一定の保険会社の委託を受けていますので、その指定する代理店看板が通常かかっていますからわかりやすくなってます。また、保険事業の公共性から「保険募集の取締りに関する法律」によって代理店は必ず財務省に登録を要し、登録を受けた者以外は保険の募集を行なうことはできないことになっていますから、その点に注意して正式な代理店と契約を結ぶようにすることが大切です。
自動車保険の申込みは簡単にいえば、保険会社所定の申込書に必要事項を記入し、捺印し、それに所定の保険料を添えて保険会社またはその代理店に提出することによって行なわれます。
申込書に必要事項を正確に記入すること。申込書は、保険契約上の意思表示の証拠書類となるものですから、必要事項を正確に記入することがポイントです。必要事項のうち特に注意すべきものとしては、保険をつける自動車の用途、車種、車名、車台番号、登録番号、被保険者、保険期間、担保種類、保険金額などをまちがいなく記入することが大切です。
申込書にまちがった記入をした場合には、告知義務違反といって、保険金が支払われないことや、契約を解除されることがありますから、慎重にありのままを記入することが大切です。なお、保険契約締結後、保険期間の中途で契約の内容を変更する場合、たとえば自動車の用途、車種の変更などをしたときには、遅滞なく書面で保険会社に通知しなければならないことになっています。
契約成立の証明書を保管しておくこと保険会社(代理店)は、契約者から申込書ならびに保険料の提出があると、直ちに保険料の領収証を発行し、後日保険証券を契約者に届けます。
保険料の領収証は、慣習上カバーノートとよばれ、保険証券作成までは保険会社の契約引受の証拠となりうるため、事実上仮の契約証の機能を果たします。
保険証券とは、保険契約の正式な成立を証明し、その契約内容を明らかにするため保険会社が契約の内容を記載し、署名または記名捺印して保険契約者に交付する証券をいい、保険金請求の際には原則として保険会社へ提出する必要があります。
以上のとおり、いずれも契約の成立を証明し、保険金請求などのときに必要な書類ですから大切に保管することが必要です。
申込と同時に保険料を支払うこと。保険会社の保険責任は、保険証券に記載された保険期間の初日の午後4時から始まり末日の午後4時に終わることになっていますが、保険期間が始まった後でも、契約者が保険料を保険会社に払い込む以前に生じた損害についてはてん補されない(保険金が支払われない)ことになっています。つまり、保険料払込時までは、保険会社の責任は発生していないことになります。したがって、保険料は、保険期間の始まる前、つまり申込みと同時に一括して(分割す契約の場合は,第一回分の分割保険料)払い込むことが絶対に必要です。
できるだけ全担保種目をつけること。自動車保険の担保種目である車両、対人、賠償、対物賠償については、すべてあるいはいずれかを組み合わせて一つの申込書で契約することも、またそれぞれ別個に契約することも、あるいはいずれか一つを選んで単独でつけることもできます。
しかし、自動車事故は多くの場合、いろいろな損害が重なって起こりがちですから、搭乗者傷害保険を含め、できるだけ全担保種目をつけるように心がけることが大切です。車両、対人賠償、対物賠償の3つを組み合わせてつけると、総合契約割引が受けられ、保険料が割安となりますので、その意味でも合理的な保険のつけ方といえましょう。
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